航行相対

私は十代の頃、サイエンス関係の本が好きで、よく読んでいました。
最新の科学で分析した宇宙や時間の話にワクワクし、自分が大人になる頃には謎が解明されるのではないかと楽しみにしていました。
相対性理論や量子力学に関する記事をよく目にしました。
相対性理論によると、超高速で飛ぶ宇宙船に乗っている人と、それを地上から見ている人では、時間の流れる早さが変わります。
絶対的なものだと信じられてきた時間や空間が、観測する立場によって変わる相対的なものだという捉え方に驚きました。
量子力学は、原子よりも小さいミクロの世界を扱う学問です。
量子はどこにでも存在する可能性があり、観測することで初めて何処に在るかが決定するという不思議な性質を持ちます。
観測者の脳が認識するかどうかで世界が変わるという、まるで哲学のような話が実際に研究されています。
それらは光に近い速さや極小の粒子に限られたものとされていますが、世界が絶対的な物理法則に支配されているという考え方を根底から覆すものでした。

医学の世界にも、そうした発想は有用なのではないかと思うことがあります。
現代医学は,客観的な根拠が重要視され、科学的に証明されていないことや個人の感覚は、信用性が低いとして軽んじられる傾向にあります。
客観的な検査を元に診断が下され、治療の結果として、それが客観的に見ても治癒していることが求められます。
レントゲンで骨折が見つかったり、血液検査で細菌感染が判明したり、と言ったようにハッキリした原因が特定される場合は、客観的なデータが役立ちます。

けれども、病気や怪我のつらさは患者さん個人の主観に依るところが大きく、それを客観的に評価することは困難な場合も多くあります。
手術は成功だったのに、結果として新たな症状が引き起こされ、手術をしたことを後悔している患者さんもおられます。
あるいは、画像診断で関節の変形によって痛みが出ていると言われた患者さんが、レントゲン上は何も変わっていないのに症状が消失するケースをよく目にします。
そうした、主観的な訴えと客観的な治療の間にズレがあることが、様々な医療の問題の原因になっているように感じます。
客観的な根拠を元に治療するだけでは病が無くならないことは、医療費が年々増大していることからも客観的に証明されています。
病が身体からの訴えであるとすれば、このまま医学が主観を診ることをしなければ、客観的に示すことが出来ない痛みや精神の病気が益々増えてくるような気がします。

治療を施す側も、受ける側も、もっと主観に目を向けても良いのではないかと思います。
患者さんは術者に責任を委ね、術者は知識を元に治療を行ない、それを書いた本人は全く関係の無い場所に居て、その場において誰の主観も反映されないという状況が起こり得ます。
どれほど有名な先生の唱えた説でも、実際に試してみて変わらなければ、それは自分に合っていないということになります。
反対に、思い付きでやってみた方法でも楽になったなら、それは自分にとって立派な健康法だと言えます。

私が身体について感じていることも主観ですが、その中で自分の片寄りを取り除いていけば、客観的に観ても成立するのではないかと考えています。
何故なら、自然の働きで生まれた私達の身体は、同じ原理で出来ているはずだからです。
より多くの主観が反映された身体観がどのようになっていくのかを想像すると、宇宙に感じたのと同じようにワクワクします。

天体

行きたいほうへ行かす

合気観照塾 2018.06.18

腕を捕りにくる相手の動きを止めずに、そのままの勢いに乗せることで、相手の行きたいほうへ行かす

相手の手の内に沿った引きと攻めで、手の形が決まって方向性が生まれ、その方向に向かうように仙腸関節から誘導する

鼠径部を深めて持たれた腕をいったん相手に預け、股関節に生まれたゆとりを次の動きに繋げて、流れに逆らわないように動く

横隔膜を締めて上肢を浮かせたままキープして、中心からの伸びと重みによる落下で腕を動かし、股関節で方向を操作する

一刀を相手の手刀に付け、もう一刀の刃筋を首筋に合わせて、二刀を一致させて振り下ろす

腕を二ヶ所で掴まれても、自由度が高い側から先に繋げ、身体を絞って弛みを取り切り、相手と一体にする

体位を転換することで起きる体重移動や切り返しを、体内のコンパクトな動きで再現して同様の力を伝える

脱力と呼吸の伸びによって手首を決めて五指を集め、自分の身体がたわまないように張ることで、相手と繋げたまま動く

接点の弛みを取ったまま、孔雀のポーズの最後の伸びで尾骨を立てて、尻尾を振ることで相手を崩す

相手が崩れる方向と反対側から回転を起こして、意識を全方向に広げながら「の」の字を描く

後頚部の引きで相手を吊る

合気観照塾 2018.06.09

相手に掌を挟んでもらって技を掛け、手の向きを変えたときの、共通点と相違点を検証する

息を吸って相手と一致させ、繋がりを保ったまま弛めることで、力を抜いて動ける方向を辿る

母指側と小指側の引きと攻めで指先まで伸ばし、そのままの刃筋で落とせる角度で仙腸関節で斬る

会陰の締めで下肢内側の経路を繋げながら上肢を浮かせ、四肢を呼吸で連動させて動く

相手を浮かせたところから、内部の重みの落下で上腕下面を引いてきて肩、肘、手首と順に繋げながら落とす

手の甲が丸くなるように指を中心に集め、張って開いたときにも手部の締めを保つ

扇子を開くように広がりを持たせて相手を浮かせ、漏斗状に一点に集約するように落とす

頚部を伸ばしてもたれ掛かることで高度を上げながら弛みを取り、後頚部の引きで相手を吊っておくことで、糸を張ったまま動く

相手の攻めと釣り合うようにバランスを取り、内から手を開いて均衡を崩すことで、中心をずらして転ばせる

相手と対峙してもあくびが起こるくらいの心持ちで身体を弛めておき、常に自分の緊張を観察しておく

必要最小限の力で動く

バランス☆運動療法初級 2018.06.09

今月のバランス☆運動療法初級講座は、K野先生と修験道の先生が、参加者を順に施術してくださいました。
施術中に、右の顎が固まっていることを指摘してくださいました。
ちょうど左奥の親知らずが生えてきているところで、噛み合わせに違和感を感じることがあったので、指摘されたことに驚きました。
修験道の先生は、右後方の意識が薄いことを体感させてくださいました。
実際に手を近付けて頂くと、右と左で感覚が異なり、感度に差があることを自覚できました。
施術を通して、そうしたアンバランスが整い、意識が広がっていくことを感じられました。
いつも先生方に、施術の形が先にあるのではないことを、身をもって体験させてくださっていることを有り難く思いました。
相手の現状を感覚で受け取り、それに働き掛けることが、結果的に施術という形に表れているように感じました。

それから、孔雀のポーズを行ないました。
胸の前で合掌した姿勢から、肩甲骨を寄せて手首を弛めることで、指先を合わせました。
更に肩甲骨を寄せて腕を回転させ、手首を弛めて尺側に倒し、末梢まで決めることで中を伸ばしました。
体幹の側面の経路から伸びてきた腕を中央に寄せてさらに吸い上げ、両手の合谷を合わせました。
会陰と百会と両側の指先の接点を直線上に伸ばし、手の高度を保ったまま、中を弛めて行きました。
それから、腕を下げながら肩甲骨を寄せて後方へ導き、下りたところで手首を返して指を伸ばし、最後の一伸びで弛みを取り切りました。
転換点で臨界まで伸びるように、ポイントを決めながら動作を繋げていくことで、以前と感覚が変わりました。
会陰と百会が繋がり身体を弛められるバランスを観察することで、軸が伸びて締まっていくことを実感しました。
そして、孔雀のポーズでの身体操法が施術にも直結することを教えて頂きました。
重みや固さに対して余分な力が入ると、その分だけ自分に返ってくるため、必要最小限の力で動けるようにしておくことがいかに大切かを学びました。
軸を立てて全体で相手と釣り合いを取り、身体を弛めることによって動けると、お互いの間で滞りなく行き来することを体験させて頂きました。

今月も、施術や稽古を通して、多くの発見がありました。
K野先生、修験道の先生、参加された皆様、昨日はありがとうございました。

感覚を元に身体を診る

センタリング・タッチ研究会 2018.06.03

今月のセンタリング・タッチ研究会では、Uさんがモニターとして来てくださいました。
K野先生に補助をして頂きながら、施術させて頂きました。
膝と足首が揃うライン、第五腰椎の決まる角度、会陰の締まる位置、重みの掛からない腕の置き方など、ポジショニングをアドバイスしてくださいました。
そして、自分の姿勢や立ち位置、ベッドに脚を乗せるときの組み方に至るまで、お互いの弛みが取れるように工夫していくことの重要性を学びました。
孔雀のポーズの最後の伸びで自分の弛みを取り切って、反応を待ちました。
弛みが取れて脱力することで初めて、身体が繋がって流れが起こることを実感しました。

それから、次の手に移る前に、呼吸が変化していく間を待つことの大切さを教えて頂きました。
K野先生の施術を受けていると、そのことがよく分かり、自分が弛んでいくほど、触れてもらっていない間に浸透していく感覚を味わうことが出来ました。
緊張が弛んでベッドに馴染んだ状態が心地良く、しばらくゆっくりしていたいという気持ちがよく分かりました。

さらに、銀鍼か金鍼か、補か瀉か、順か逆か、右回りか左回りか、どれも相手の身体に聞きながら施術することを教えて頂きました。
そうした意識で鍼を持つと、身体が求めているかどうかで、吸い込まれる方と弾かれる方があることを感じられました。
経穴も経絡も決めつけず、鍼先が止まる位置から通したり、奇経のように繋げたり、いかに感覚を元に身体を診ることが大切かを学びました。
また、色々な鍼を持ち、それぞれの特徴を観察しました。
筆と同じように鍼を垂直に立てて持ち、手首を決めたまま指先が自由に動く状態で、鍼先を操作しました。
丹田の動きが鍼先まで伝わると、鍼を使うときの動きで合気が掛かることを体験しました。
繊細な違いを受け取り、細やかな動作が実現できるよう、身体を創っていく必要性を感じました。

施術させて頂いたり、受けたり見たりさせて頂き、色々と治療の感覚が変わりました。
より良い施術が出来るように、触れただけで合気が掛かる身体を目指していきたいと思います。
K野先生、モニターとして参加してくださいましたUさん、会員の皆様、本当にありがとうございました。

 

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