全体の引きと攻め

センタリング・タッチ研究会 2018.02.04

今月の研究会では、K野先生が、立位で足元から身体を整えてくださいました。
下腿部に手を当てて頂くと、身体に起きている揺らぎが全体に広がり、上方の空間と繋がっていくことを感じられました。
そして、滞っている場所が動き始め、通り道が出来た瞬間に道を開けて、重みを落とす技を体験させて頂きました。
下肢の経路が通ると、捻れが取れて動作が軽くなり、呼吸が通りやすくなっていく様子を感じられました。
上肢でも、相手の腕を浮かせて肩をフリーにすることで、下肢と同様、重みとバランスの変化によって誘導できることを教えて頂きました。
吸息で肩甲骨や鎖骨が浮き、肩甲帯が肋骨と分離してぶらぶらと動かせる状態を体感できました。

その後、「合気道で行う呼吸法」を教えてくださいました。
息を吸いながら、背中を伸ばして、両腕を側方で上げ、拳を開いて行きました。
腕の角度や手の向きを変えながら、労宮が背側の張りが高まる位置を観察しました。
吸息で伸びたところから弛めると、中心の軸が上下へ指先が地面を刺すように更に伸びて、全身での引きと攻めが生まれることを体感させて頂きました。
その時々の姿勢で引きと攻めを生み出せるように、条件を変えながら、先まで弛んで伸びるバランスを観察していく必要性を感じました。

その後、モニターとして来てくださったY川さんの施術を担当させて頂きました。
誘導させて頂いていても、とても弛みやすく、私の方が弛めて頂いているようにさえ感じました。
K野先生から、側臥位で施術する際、脚を当てて補助をしたり、脊柱を伸ばして上肢が浮く姿勢を取るようアドバイスを頂きました。
全体の引きと攻めを活かせると、どの接点からも入れたり抜いたり出来るようになり、施術の幅が広がることを感じました。
また、手指の先端まで中心からの伸びを伝えて、緩みを取り切ることで、経路を明確にしていく必要性を感じました。
施術を通して多くの学びを頂け、たいへん勉強になりました。

K野先生、いつも多くの体感をくださり、ありがとうございます。
施術を受けてくださいましたY川さん、ご一緒させて頂いた皆様、ありがとうございました。

触れてもらうだけで弛む

センタリング・タッチ研究会 2018.01.07

昨日の研究会では、施術も合気の技と同様に、いかに形としてしないことが大切かを学びました。

木刀を横向きにして両肘の上に渡して呼吸で上肢を浮かせ、相手の肩に触れました。
上肢尺側を通して木刀の重みを下から浮かせられると、上肢を吊ったまま、中心の動きを伝達できました。
そのまま、相手の身体に起こっている揺れが感じられ、どちらが動かしているとも無くなる感覚がありました。
受ける側では、腕の重みが乗り掛かることなく、手に吸い付くように身体が浮いて、触れてもらうだけで緊張が弛むことを感じました。
下肢内側を張って臀部を浮かせて呼吸を吸い上げることで上肢の力が抜け、下方からの立ち上げの大切さを学びました。

そうした感覚を踏まえて、お互いに施術をし合いました。
両手で膝を持って、その中心を意識しながら緩みを取り、相手に合気を掛けてもらえる位置に浮かせました。
複雑な形状のルービックキューブを解くように、両手でバランスを変えている内に、頚と繋がり、力が抜ける位置に来る感覚を得られました。
その方の呼吸の通り道が中心と一致すると、弛める働きが起こり、身体が自然に整っていくことを学びました。
下肢と腰部であっても、脇腹と対側の肩であっても、二点を取るとその間には中心が生まれ、どこからでも同様に施術できることを教えて頂きました。

頭の後ろに時計盤をイメージして、指定した時刻の方向に目を向けてもらうことで、目線や意識も手伝って繋がっていくことを体験しました。
新たなバランスで呼吸が通っていくことで身体が動き出し、全体が変わっていく様子を観ることが出来ました。
また、力を抜いたまま頭部に手を沿わせることが出来ると、中が動いていることを感じられ、足部まで繋がっていく状態を体感させて頂きました。
後頭部や耳や目を覆うように手を当てると、それぞれ伝わり方が変わり、経絡との繋がりを興味深く感じました。

K野先生が施術してくださるとき、固まっている場所を見つけても、毎回、どうアプローチするかは決まっていない言われていたことが印象的でした。
どういう手技をするという形や、どう変えたいという欲を捨て、相手に合わせて自分を弛めていくことが施術になることを教えて頂きました。
発想を固めずにその瞬間の感覚を受け取り、それに応じてどちらにも動くことができ、どこでも止められる身体を創っておくことの大切さを感じました。
K野先生、参加された皆様、今月もありがとうございました。

合気二刀剣と施術の共通項

センタリング・タッチ研究会 2017.12.04

先日のセンタリング・タッチ研究会では、合気二刀剣と施術の共通項を実感しました。

首に、折り畳んだ布巾を巻き、後頚部と胸骨の間に張りが生まれるように結びました。
その付近の感覚を保つように意識しながら、胸の前で木刀の小太刀を引き分けました。
呼吸によって、任脈と督脈が上下方向に引かれ、胸骨の傾きと後頚部の伸びが一致するバランスがあることを感じられました。
頭部の位置を維持したまま頚が伸びて初めて、背中に重みを下ろしていけることを体感しました。
刀の向きによっても、呼吸の入り方が変わり、道具の持つ形や質感の奥深さを感じました。

それから、布巾を巻いたまま、椅子に座って呼吸法を行ないました。
小太刀を二本持って脚の上に立て、皮膚から離れるか離れないかの範囲で浮かせました。
呼吸の深さによって、身体に浸透する度合いを調節できることを感じました。
どこもぶつかるところが無ければ、呼吸の上げ下ろしと立て替えによって、刀が手の内でバランスを変え続け、剣術の動きが生まれることを体感しました。
持たせて頂いた木刀それぞれで、受け取る感覚も、身体の反応も、力が抜ける位置も違い、道具に聴くということを実感できました。

それからペアを交替しながら、センタリング・タッチを行ないました。
二刀剣と同様に、左右それぞれの脚に合わせて、緩みを取りました。
労宮を左右の踵に当てて吸い込み、手の内の引きと攻めによって、繋がる角度に足首を決めました。
足首の微妙な操作が全体のバランスに影響し、自分の緩みと相手の緩みがピタッと取れる位置があることを感じました。
そこから、手で引かずに、軸を少し後方に傾けることで撓みを取り、自分が伸びられるバランスで反応を待ちました。
お互いが繋がって伸展されるときは、想像以上に何もしなくて良いということを実感しました。

触れるだけで治療になる身体を創るために、様々な道具に触れながら感覚を高めていく必要を感じました。
K野先生、参加された皆様、今回も多くの学びをありがとうございました。

髪一本ほどの違い

センタリング・タッチ研究会 2017.11.04

今回も、参加者を順番に立位での施術をしてくださいました。
足趾からの細やかな動きが上方へと伝わり、頭部の先まで繋がっていく感覚を、実況中継しながら体感させてくださいました。
末梢から順に繋がっていくと、その先のバランスも全部変わっていくことを実感しました。
足元から触れるときは上の揺らぎを意識して、上からアプローチするときは下の重心の移り変わりを誘導しながら施術されていました。
固まっている所からずらし、揺れが起こるバランスに誘導すると、その方の身体が動き出し、自然に良い位置に戻っていく様子を観ることが出来ました。
上肢を浮かせて脱力できるバランスにあれば、力を抜こうとしなくても、無意識に肩が弛んでいく状態を体感させてくださいました。
紙一重よりも細い、髪一本ほどの僅かな違いで、肩の力が抜ける隙間が生まれることを体感させて頂き、その繊細な手技に感動しました。

肩の力が抜け、肘や手首が捻れない位置に導くことで、手の調整をしてくださいました。
それぞれの指先から体幹へ繋がって弛んでいく状態を感じられ、経絡の流れを体感できました。
五指のバランスの中で母指が伸びるように働くと、肚が充実することを実感し、いかに母指球の意識が薄かったかに気付きました。
K野先生の母指球に触れさせて頂き、中から起こる細やかな動きと、内側の経路の通り方の力強さには驚きました。
それから、呼吸の通り方を指標として、五指それぞれの働きを観察しました。
指先を机に当てたときと外したとき、母指と向き合って摘まんだときと弾くときの違いを検証しました。

正座位で、下肢後面が伸びて体幹の内部が締まるように息を吸い、臀部を浮かせました。
臀部下部が、張りを持ったまま伸びるように、骨盤を傾けてお辞儀をしました。
そこが利くバランスで座れているかどうかで、合気の技や治療の誘導が決まってくることを体験させて頂きました。
さらに、手の内の空間が丸くなるように母指と中指を合わせて畳に着くことで、手首が決まり、肘が浮き、肩が弛む位置に近付くことを感じられました。
身体のどこかのバランスが変わると、全体の動きが違ったものになることを実感しました。
礼法に含まれる型も、そのように定められた意図を意識して行えるかどうかで、一つ一つの所作の深まりが変わってくることを感じました。
それだけ細やかに自分の身体を観察し、感覚を研ぎ澄ましていく必要性を感じました。

K野先生、参加された皆様、今月も多くの学びをありがとうございました。

相手から伝わる感覚

センタリング・タッチ研究会 2017.10.01

今月のセンタリング・タッチ研究会では、K野先生が柔道の固め技を体験させてくださいました。
頚と腕の間の緩みを取り切られてしまうと、脚は動かせても力は入らず、全く返せなくなりました。
身体の連動を、繋がる方からではなく、固める方から観ることができ、頚を止められるだけで全身の自由が利かなくなることを実感しました。
そして、伸展を掛けたところから弛めるか弛めないかの違いだけで、治療と武術が共通していることを感じました。

センタリング・タッチによる施術を見せて頂き、受けさせて頂き、それからお互いに練習しました。
両手の中心を直接動かすのではなく、そこに意識を置いたまま、相手から伝わる感覚によって動くことを学びました。
そのためには、自分自身が、吸って浮かせて、弛めてから動くことの大切さを教えて頂きました。
丹田の動きが滞りなく通っていくように肩を弛めておき、感覚と動作が一致して行き来できる状態にしておく必要を感じました。
息を吸って中心に集まっていき、固まる所から少しずらすことで、癖の位置に戻ること無く、新しいバランスへ導けることを教えて頂きました。
偏りを改善しようとか、捻れを解消しようといった余計な意図を働かせなくても、その方の持つ自然の働きがバランスを整えてくれる様子を観察できました。

相手の頭部に手掌を馴染ませて、指先が自由に動かせるように沿わせ、センサーが働く状態を体験させてもらいました。
頚を伸ばしてもたれ掛かることで内部の糸を伸ばして、相手の呼吸によって導かれる変化を待ちました。
そして、張りがたわまないように骨盤を転がして付いていくことで、緩みを取り続けました。
ランダムに点滅する線香花火の光のように、手掌から、刻々と接点が変わっていく感覚が伝わってきました。
手の調整をされているK野先生の微細な動きが、そのまま頭部にも反映されていることを体験させてくださいました。
そうした手が出来ていると、触れるだけで自動的に相手と繋がり、弛んでいくバランスに導けることを実感しました。
センタリング・タッチは技術ではなく、それが可能となる身体を創っていくこと自体であるように感じました。

学ぶということが、知識や方法を増やすのではなく、それを受け取る自分自身をどう変えていくかというところに帰着することを再認識しました。
施術に臨むときの余計な力みややる気を無くしていくことで、剣術のようなシンプルな動きに近付いていくイメージが出来ました。
そうした身体を創れるように、日々の臨床や稽古に取り組んでいきたいと思います。
K野先生、参加された皆様、今月もありがとうございました。

臨界まで弓を引き分ける

センタリング・タッチ研究会 2017.09.03

昨日は、センタリング・タッチ研究会に参加させて頂きました。

前半は、立位でのセンタリング・タッチを体験させて頂きました。
触れて頂く度に、自分でも気付けていなかった捻れや滞りが解きほぐれ、緊張が弛んで、呼吸の入り方が深くなることを実感できました。
外から見てもほとんど動きが分からないほどの繊細なタッチで、受け手の姿勢や動作が変わっていく様子を目の当たりにしました。

両側のベルトを引くことで、中央の筒の中のバネが縮む仕組みのスポーツ用品を用意してくださっており、それを使って色々な動作をしました。
道具の反発力を利用して、片側の手の前方への伸びと、対側の肘の後方への引きを拮抗させながら、弓を張るように構えました。
臨界まで弓を引き分けることで、身体の中が伸び、中央が細く締まっていくことを感じられました。
張った位置では、横隔膜の締めを維持することで構えを保つことができ、呼吸の操作と一致して張力が調節されることを体感しました。
頭が前に出たり、肋骨が落ちたりすると、途端に中の繋がりが途切れ、身体のあちこちが緊張することを実感しました。
前屈姿勢からベルトに手を掛けて体幹を起こしたり、両手でバネを地面へ押し下げたりする動作も試し、弓を引くときと同様に身体を張る働きが重要であることを体験しました。
そして、身体に備わった弓や槍や刀が、センタリング・タッチの身体操法にも深く関わっていることを教えてくださいました。
繋がるバランスに導いて緩みを取り、内部の伸びによって槍を突くように丹田から動くことで、頚まで伝わるといった技を実演してくださいました。

後半は、仰臥位での施術を体験させて頂きました。
脛に手を当てて左右それぞれ横や縦に揺らしてくださり、身体への伝わり方の違いを体感できました。
脚に触れた手からのわずかな振動からも、繋がっていれば全身に伝わり、滞りがあれば揺れが途切れることを感じられました。
そして、足部の誘導が、そのまま肩や頭部にも反映され、緊張が弛んでいくことを体感させて頂きました。
全身が皮膚で覆われ、筋が繋がり、骨は連結し、経絡も通り、どこかに触れるだけで全体のバランスに変化が表れるということを自然に感じられました。

それから、パートナーに仰臥位で寝てもらい、センタリング・タッチの練習をしました。
足元に座って、弓を射るときのように軸を伸ばし、両側の脛に手掌を沿わせました。
力を抜いて骨の深さまで沈め、芯を掴めるように五指を寄せて細くしました。
常に手の内の当たりが変わるように、力が抜けるバランスに向かう方向へ転がし続けました。
自分が脱力できるようにセンタリングすることで、相手も繋がる位置に導かれていくことを実感しました。
そして、相手の身体の先の空間にまで力を伝え、自分の後方まで意識を広げて通り道とすることで、初めて一体となった行き来が生まれることを体感しました。

相手の状態を受け取れる身体を創り、感じたことを施術を通じて検証しながら、感覚を磨き続けていくことの大切さを学びました。
K野先生、参加された皆様、多くの学びをくださり、ありがとうございました。

 

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