感想文35

観照塾 2010.11.27
昨日の観照塾では、「太極棒のメニュー」の復習をしました。
持ち上げようとする物の重さによって身体の使い方が変わるように、太極棒を動かすときも、具体的なイメージをもって行なうことで全身の動きが変わってくることが分かりました。
相手を後ろから抱え上げていても、相手の落下が自分の重心が崩れる方向に働くと、急に相手の重量が大きくなったように感じられ、一定であるはずの重さや大きさといった物理量も主観が大きく反映されていることを感じました。
また、両手の合谷を相手の胸部に軽く当て皮膚が少し上方にずれる程度の変化であっても、相手が前に進めなくなるという実験をしました。
そのまま進もうとすると重心が後方にずれてしまい歩くことは困難でしたが、吸気によって上半身を浮かせ命門に意識を置くと、そこを基点として後方から前方へ向かう力が生まれ、前に進むことが出来るようになりました。
再び「雑巾絞り」や「発勁」の動作をして最初の動きとの変化を確認すると、特別にそれを意識しなくても、自然と前方に体重が乗る位置に太極棒を動かせていることが感じられました。
今回の稽古では、太極棒を持たずに全く違う動作をしても、太極棒の動きに変化が起こることに気付かせて頂き、様々な切り口を試してみることの大切さを学びました。
今まで太極棒を動かしているとき、「太極棒のメニュー」の中での完成された動きを目指すという意識があり、それ自体を目的にしてしまっていたことが分かりました。
一つの方法に囚われずに目標とする方向に向かえるような、柔軟な発想をもっていたいと思いました。

飴あられ

私は食物の好き嫌いはほとんどありませんが、間食をするときは甘い菓子を好んで食べます。
ケーキ、クッキー、チョコレート、アイスクリーム、団子、饅頭などは家に置いていることが多いですが、ポテトチップス、おかき、煎餅といった菓子を買うことは滅多にありません。
甘い菓子を挙げると、そのほとんどが砂糖の甘味によるものですが、食物全般でみると甘さにも色々あります。
よく噛んで食べたときの米の甘さ、冷え込んでいる晩に飲むホットミルクの甘さ、他の荷物とぶつからないように大切に持って帰ってきた桃の甘さ、自らの身を守る甲羅を脱がないと成長できない蟹のツメの甘さといった、淡い甘味もまた良いものです。

東洋医学の古典には、食物の身体における働きが書かれており、甘味は脾に関係するといわれています。

心は苦を欲し、肺は辛を欲し、肝は酸を欲し、脾は甘を欲し、腎は鹹を欲す、此れ五味の五臓の気に合する所なり。
『黄帝内経素問』 ~五臓生成篇


「味」には酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味の五種類があり、体内に入ると、それぞれ肝・心・脾・肺・腎を養う働きをするとしています。
ここで言う「辛味」は唐辛子の辛さ、「鹹味」は塩の辛さを指しているとされています。
五味を適度に摂ることは弱っている臓腑を助けますが、偏食は身体の調和を乱すことが多く、過度の摂取によって臓器を傷める恐れがあることも記述されています。

現代でも、高血圧症や糖尿病といった生活習慣病を始めとして、様々な症状がバランスの悪い食生活によって引き起こされることはよく知られています。
豊かな食材に囲まれた生活をしていると、ついつい自分に甘くなり、食事の嗜好が偏ってしまうことがよくあります。
自らの不摂生によって辛い闘病生活を送るような苦い経験をせずに済むように、日頃から食生活に気を使い、酸いも甘いも噛み分けておきたいと思っています。


柿

感謝観劇

今日は、奈良市にある音声館で行なわれた「即興劇団 一陣の風」による『ラブラプソディ vol.1 -指輪のゆくえ-』を観に行きました。
「一陣の風」の座長を務めておられるOTさんは、私が柔道整復の専門学校に通っていたときの同級生で、在学中は色々な面でお世話になりました。
以前にもOTさんに声を掛けて頂いて、「一陣の風」の劇を観に行ったことがあります。
前回の演目は『Romeo and Juliet』で、日本語版と英語版という二本立てを、楽しく観させて頂いたことを覚えています。
今回は、二人の男女、机と二脚の椅子という舞台設定や、「指輪」という共通のテーマの中で、全く異なる三通りのストーリーが展開されました。
脚本や演出、また、キャストの皆様の演技が素晴らしく、いずれの作品も完成度の高いものでした。

『つわぶき』
月日の経過を、暗転を使わずに出演者の出入りによって表現する演出が見事で、最初から最後まで緊張感が途切れることなく引き込まれました。
会話やストーリーに含まれる伏線が丁寧に回収され、また、途中の悲劇的な展開も最後は丸く収まり、とても後味の良い劇でした。

『Vegetarian Lovers』
とにかく男性の台詞回しや演技が面白く、のっけから思わず笑ってしまうシーンが沢山ありました。
全く性格の違う女性との掛け合いも巧みで、二人の関係の変化を最後まで楽しく観ることが出来ました。

『Grounds for』
なかなかシリアスな展開で、最後まで女性の真意が分からないため、ハラハラしながら観ていました。
最終的には、相手を気遣うどちらの考え方も理解でき、思い切り感情移入してしまいました。

OTさん、および劇団員の皆様、今日はありがとうございました。
素晴らしい公演を観させて頂き、また、公演後は奈良駅周辺を散策し、おかげさまで楽しい休日を過ごすことが出来ました。
勤労の中での精力的な活動に、心からの感謝を申し上げます。

感想文34

観照塾 2010.11.20
昨日の観照塾では、特に労宮の使い方を意識しながら練習しました。
最初に「雑巾絞り」の動作をしながら相手に片手を把持してもらい、落ちるべきところに相手を落とすという練習をしました。
相手を動かしながらも自分のほうへ留めておくためには、太極棒を上下に動かす動作による「攻め」とともに、太極棒を絞る動作による「引き」が為されていることが重要であると分かりました。
太極棒の上下の動きの中にも、太極棒の中央を基準とした下方の手の「引き」と上方の手の「攻め」があり、さらに、それぞれの手の内にも「引き」と「攻め」があるように、細分化しても常にそのバランスを取っていくことの必要性を感じました。
手の内では、労宮の手背側に意識を置き、労宮が虚の状態を保つことで、手掌による「引き」と手指による「攻め」を実現出来ることが分かりました。
それから、両手の間に「見えないボール」をイメージし、それを呼吸と体内操作によって動かしたり、大きさを変えたりする練習をしました。
自分の周りの空気を両手の間に集めることが出来ると、そこだけ空気の密度が高まったような、かすかな弾力を感じました。
その見えないボールを相手に向かって放り投げると相手を後方に動かす技になり、ボールを急に消失させると相手を手前に落とす技になることが分かりました。
細かい部分にまで行き届いた身体動作と、周りの空間にまで広がる大きなイメージを両立できるように練習を積んでいきたいと思います。

寝た蝶

私が不思議だと感じる事柄の一つに、「夢」があります。
本人が覚えているかどうかは別として、睡眠時には必ず夢を見ているとされています。
夢を見る理由については、よく分かっていない部分も多いようですが、覚醒時に得た記憶の整理に関連しているという説が有力のようです。

夢の中で起きたことを思い出すと、精神と身体の繋がりの深さを実感させられます。
空を飛んでいる夢を見たときは、本当に身体が風をきっているような感覚や、浮遊しているときに起こる不安定な感覚を体感できます。
また、胸の上に手を乗せた状態で寝ると、得体の知れない生き物にのしかかられるといった悪夢を見やすいということも実際に経験したことがあります。
夢の世界では、目が醒めてから考えてみると、なぜ疑問に思わなかったのか不思議になるくらい非現実的な状況でも違和感なく受け入れています。
努力してもまず思い付かないような発想が含まれていることも多いため、実際に、夢に着想のヒントを得て作られた発明や芸術作品が沢山あるようです。
私は、子供の頃と比べると突拍子も無い内容の夢を見る機会は減ったような気がしますが、やはり今でも、現実の世界ではなかなか出来ないような経験をすることがよくあります。

古代中国の思想家の一人である荘子の言葉の中には、『胡蝶の夢』という説話があります。
その話の中では、荘周という人物が、自分が荘周であるということを忘れ、蝶になって自由に飛び回っている夢を見ます。
荘周が夢から醒めたとき、果たして「自分が蝶の夢を見ていた」のか、それとも「自分は蝶が見ている夢」なのか分からなくなるという話です。
これは「斉物論」に書かれており、現実と夢、有と無、生と死といった事象の境は判然とせず、大きな流れの中の変化でしかないということを示しているとされています。

私も、今の「自分」という個体が思っているほど絶対的なものでは無く、精神的にも肉体的にも変化しうるものだと感じることが時々あります。
この文章を書いている「自分」が、現実なのか夢なのか私には知る由もありませんが、いずれの世界においても楽しく飛び回っていられたなら言うことはありませんね。

<参考文献>
『老荘思想入門』 著者:月洞譲 発行所:PHP研究所

蝶

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はり・灸 佑仁堂
兵庫県西宮市で治療院を開業しておられ、鍼灸や気功を用いた治療を行なっておられます。
吉本総合芸能学院のお笑いコースにも所属されていて、「治療」と「お笑い」に対して真摯な姿勢を貫いておられ、その両立は私の憧れるところでもあります。

たけぼーのブログ
観照塾の先輩で、以前、K元会(旧・健康維持互助会)でカイロプラクティックの技術を教えて頂いたこともあります。
多方面にわたる知識をお持ちで、治療に関すること以外にも色々と面白い話を聞かせて頂いています。

歌ってナンボのブログ
観照塾の先輩として、呼吸法や身体の使い方の指導をして頂いています。
ミュージシャンをされていたこともあり、その経験を活かした説明は分かりやすく、とても勉強になります。

感想文33

観照塾 2010.11.13
昨日の観照塾では、太極棒を動かす際の体重移動に重点を置いて練習を行ないました。
最初に太極棒を持ちながらの歩法を行ない、それから相手に負荷を掛けてもらって動作の確認をしました。
脚を上げるときは、足関節の角度をしっかりと決め、吸気時の体幹の動きと連動させることで、太極棒との関連を途切れさせることなく移動出来ることが分かりました。
その際は、両手で太極棒の中心を捉える力と、両大転子間を締める力を常に一致させておくことが重要であると分かりました。
脚を上げた状態で片側の鼠径部を緩めると、進行方向に向かって下肢が開き、そのまま重力に従って体重移動を行なえることが分かりました。
また、一見複雑に見える動きも、基本的なベクトルの複合によって成っていることを教えて頂きました。
「砂時計をひっくり返す」動作では、骨盤の左右方向の寄せと上下方向の伸びの組み合わせによって、太極棒が半円を描くような動きが生まれることが分かりました。
「発勁」では、太極棒を前方や上方へ進めていく場合でも、下方へと向かう力が保たれているからこそ、体幹を安定させたまま動作を継続できることが分かりました。
今回の稽古で学んだ歩法や体重移動を行なう上での身体の使い方を、一つ一つ確認しながら練習していきたいと思います。

仮名縛り

私が文章を読んだり書いたりするとき、言語表現は、すでに存在する「言葉」というピースを使って行なうパズルであるように感じます。
文章を書くときは必ず最初にテーマを決めてから書き始めるように、その数え切れないほどのピースを組み合わせて一つの形にするためには、何らかの縛りが必要になります。

その縛りの分かりやすい形として、例えば、短歌や俳句といった定型詩では字数の制限が設けられています。
短歌は五・七・五・七・七、俳句は五・七・五のリズムで詠まれますが、それによって自由な表現が妨げられるかというと、必ずしもそうとは限りません。
「好きなように絵を描いて」と急に言われると、何を描こうか迷ってしまうように、適度な制限があったほうが発想が浮かびやすいということは往々にして有ります。
「自由の女神」が台座の上に大人しく立っているのと同様に、自由とは一定の制限の中でこそ成り立つものなのでしょう。
七五調というのは単に字数に制限を加えるだけではなく、詠んだときのリズム感も優れており、非常によく考えられた形式であると思います。

私が紹介するまでもありませんが、言葉遊びとして、いつ見ても完成度の高さに感心するのは「いろは歌」です。

色は匂へど 散りぬるを (いろはにほへと ちりぬるを)
我が世誰ぞ 常ならむ (わかよたれそ つねならむ)
有為の奥山 今日越えて (うゐのおくやま けふこえて)
浅き夢見じ 酔ひもせず (あさきゆめみし ゑひもせす)


全ての仮名を過不足なく一度づつ使用し、それを七五調に整え、しかも普遍性さえ感じられる内容になっているというのは驚異的であると思います。
「いろは歌」自体は小さい頃から耳にして知っていましたが、仮名の羅列としてしか捉えていなかったので、その意味を初めて知ったときは心底驚きました。
不自然な表現が数箇所含まれていることが指摘されていますが、それを考慮しても、言葉遊びの世界において、銀杏が食べられることを最初に発見した人に匹敵する偉業であると思います。
私も高校生の時に、同じ条件で違う内容の歌が作れないか挑戦したことがありますが、半分も行かないうちに挫折しました。
五十音それぞれの使われる頻度には大きなばらつきがあるため、使用頻度の高い音を一度しか使わずに意味のある文章を構成するという作業は想像以上に困難でした。

「いろは歌」のように、五十音全てを並び替えて隠された文章を見つけ出そうとすると非常に難易度が高くなりますが、自分自身で何らかの縛りを決めて言葉で遊ぶことは面白いものです。
易しすぎず難しすぎない適度な制限を設け、それをすり抜ける解答が見つかったときには、「私が知っている言葉」の中にも、まだまだ「私が知らない言葉」が隠れていることを感じ、嬉しく思います。
たとえ仕事中であっても、良いアイデアを思い付いたらメモをしておきたいという衝動に駆られるので、それが良いことなのかはよく分かりません。
社会生活に支障を来たさない範囲の密かな楽しみとして、これからも言葉の中に潜む深遠を覗いていたいと思っています。

感想文32

観照塾 2010.11.06
今日の観照塾では、「太極棒のメニュー」の発勁を応用した技を教えて頂きました。
太極棒を上げるときは、吸気に伴う肋骨の側方への拡張とともに、太極棒の両端を引き伸ばす力が強くなり、その状態を保ったまま方向を切り替える必要があることが分かりました。
その際は、太極棒もしくは相手との繋がりが途切れないように、太極棒の長軸方向の中心を意識して行なうことが重要であると分かりました。
また、私は吸気時に胸部に力が入り過ぎていることを指摘されましたが、壇中の緊張を解き瘂門で引くことで、身体後面への意識が生まれることを教えて頂きました。
鞭がしなるような動きが脊柱の下方から上方へと繋がると、身体後面から起こった力が前方に上手く伝わることが分かりました。
そのためには、股関節を中心とした下肢の動きが不可欠であることが分かりました。
今回の稽古では、太極棒を動かしていく中で、上肢の引き伸ばす力を保ったまま、下腹部の圧力を保ったままといった、「変化する中での積み重ね」の大切さを学びました。
その積み重ねがあるからこそ、相手に技を掛けるときに、筋力によるものではない大きな力が生まれることを教えて頂きました。
そのための身体の使い方への工夫が不充分であることが分かったので、これから練習を行なう上で重視していきたいと思います。

本の紹介08

風邪の効用

『風邪の効用』

著者 野口晴哉
発行所 ちくま文庫

体を使っているうちに、或る一部分が偏り疲労の潜在状態になって、そういう部分の弾力性が欠けてくると風邪を引き、風邪を引いた後、回復してくる。それで私は風邪は病気というよりも、風邪自体が治療行為ではなかろうかと考えている。
~偏り疲労と風邪~


本書の内容の元となる講義は五十年も前に行なわれたようですが、初めて読んだときは、現代医学とは一線を画した革新的な考え方に驚かされました。
「風邪」という最も身近である疾患を、ウィルスの感染や身体の異常としてではなく、健康を保つために不可欠な「治療行為」として捉えて書かれています。
安易に風邪薬を飲むと却って長引くことや、風邪が経過した後はそれ以前より体調が良くなることは経験的に知っており、説明されている内容は納得できるものでした。
自分自身の健康を省みる上で、また医療に携わっていく上で、「治す」ということの意味を改めて考えさせてくれる一冊でした。

風の紅葉

先週末は、一泊二日で金沢を旅行していました。
一日目は、主に金沢市内を散策し、金沢城兼六園に立ち寄りました。
金沢城はもともと加賀藩主だった前田利家の居城で、兼六園は城のすぐ近くに造られた庭園のことを言います。
残念ながら、城や周辺の石垣は明治時代に大半が火災で焼失してしまったため、近年になって復元された部分が多く、外観上の風情には欠けました。
城や門の内部に入ると、攻め入ってきた敵軍を撃退するために考えられた様々な工夫をみることが出来て面白かったです。
建物の構造自体がそれを想定して設計されており、三方向から敵に攻撃が出来るように造られた門や、石垣を登ってきた敵に石を落とす仕組みなどが解説されていました。
建設の当時から耐震構造も考えられており、菱形の柱を組み合わせて木材だけで骨組みを造る技術には感心しました。
石垣も造られた時代や用途に応じて積み方が異なることを知り、それを見るだけで時代背景を想像できることが分かりました。

その後、金沢21世紀美術館で開催されているコレクション展「目には見えない確かなこと」を観に行きました。
作品そのものよりも、それと対峙したときに起こる個々の感情や記憶といった主観をテーマにするという、一風変わったコンセプトで構築された展覧会でした。
他の人も同じように感じるとは限りませんが、水の泡を水中から写した写真を展示してある部屋では星空を見上げているように思えたり、斜めの壁に黒い楕円が描かれた部屋では壁に向かって自分が滑っていっているような気になりました。
部屋全体で主題を表現されており、視覚だけでなく聴覚、触覚、嗅覚といった五感に訴えることで、一般的な展覧会とは少し違った感覚を味わうことが出来る構成になっていました。
また、美術館そのものが一つの作品として考えられているため、周辺には多くの現代美術が配置されており、特別展以外も楽しめました。

二日目は特に目的地を決めず、金沢周辺の駅で適当に降りては、ぶらぶらしていました。
山の木々も色付いてきており、周りの景色を見ながら暑くも寒くもない良い気候の中で歩くのはとても気持ち良いものでした。
地元の人にとっては何の変哲もない風景に違いなく、特筆すべきことはありませんが、「見たことのない景色」のなかを歩き回ることができ良い気分転換になりました。

金沢城

 

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