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漢詩韻

漢詩は、日本の文学に多大な影響を与えており、現在でも様々な形で残っています。
『春暁』は、私が高校生のときに国語の授業で最初に教わった漢詩で、特に一句目は、そのまま用いられるほど有名です。

春暁   孟洪然
春眠不覚暁 春眠(しゅんみん)暁(あかつき)を覚えず
処処聞啼鳥 処処(しょしょ)啼鳥(ていちょう)を聞く
夜来風雨声 夜来(やらい)風雨(ふうう)の声
花落知多少 花落つること知る多少


<現代語訳>
春の眠りは心地良く、いつ夜が明けたか気が付かない。
外ではあちらこちらで、鳥の啼く声が聞こえる。
昨夜は雨まじりの風が吹いていた。
花がいったいどれくらい散っただろうか。

漢詩は、様々な規則に則って作られています。
まず、字数の制限があり、四句で構成されるものを絶句、八句で構成されるものを律詩といいます。
上に挙げた詩は、四句で構成されており、一句の字数が五文字なので、五言絶句と呼ばれます。
それから、漢詩には韻を踏むというルールがあり、絶句の場合は二・四句の最後の文字に同じ響きを持った漢字が使われます。
上の詩では、二句目の「鳥」、四句目の「少」に加えて、一句目の「暁」も韻を踏んでいます。
他にも、平仄式という漢字をグループ分けして使い分けるルールや、対句といって特定の句において意味を揃えるルールも存在します。

「漢字」という同じ音で多くの意味を表現できる文字だからこそ、こうした形や音を重視したルールが生まれたのでしょう。
字数の制限や押韻といった多くのルールを設けることによって、見てはバランスが美しく、聴いてはリズムが感じられる独特の構造になっています。

絶句では、一句目から順番に、起・承・転・結となるように構成されています。
作詩上のルールなど知らなくても、詩の内容を読むと、国や時代を超えて共感できる部分が沢山あり面白く思います。
眠りの心地良さは春に限ったことではありませんが、暖かい陽気に包まれ、目覚まし時計を迎えうとうと考える必要も無く、うとうと出来る朝は幸せなものです。
私は一度眠ってしまうと、雨が降ろうと槍が降ろうとフローズンフロート気付かないことが多いので、春の眠りから目覚め庭の花にまで思いが至る作者の感性には感心するばかりです。

<参考文献>
『漢詩を楽しむ』 著者:林田慎之助 発行所:講談社

朝焼け

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