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酷使夢想

私は、小説や漫画を読んだり、映画やドラマを観たりして、自分が考えもしなかったアイデアや驚くような展開に触れたとき、感動すると共に、そのような機会を与えてくれた作者に感謝の気持ちでいっぱいになります。
その反面、作品によっては「こうすればもっと面白くなりそうなのに」と思うことも時々あります。
他人が時間や労力を掛けて作り出した作品を受け取れるというのは幸せなことですが、それだけでは、想像力を「消費」してばかりで「生産」していないような気がして物足りなく感じているのかも知れません。

私は学生の頃、たまに、鉛筆やボールペンを使ってノートに漫画を描いたりしていました。
しかし、頭の中では傑作だと思うアイデアも、実際に紙の上に表現した途端につまらないものに感じてしまい、途中で投げ出してしまうことがよくありました。
想像力は際限なく広がりますが、媒体を介した瞬間にその形でしかなくなってしまうことが、残念な気がしてなりませんでした。
画力や構成力といった技術面の不足も大きいのでしょうが、私が好きな作品を思い出してみると、他人を感動させる力というのは必ずしもそれだけで辿り着けるものでは無いように思います。
元々のアイデアが優れているのはもちろん、それを劣化させず、あるいはさらに昇華させて表現できる能力と意志を持っていてこそ「名作」と呼ばれる作品を産み出せるのでしょう。

「漫画の神様」と称される手塚治虫は、生涯にわたって700作を超える漫画作品を残したそうです。
手塚治虫漫画全集に収録されている作品は大体読みましたが、クオリティの差こそあれ、手抜きを感じる作品はひとつもありませんでした。
手塚治虫の人生も常に上り調子だったわけではありませんでしたが、その時代に合わせて他の漫画家の作風を柔軟に取り入れ、晩年まで第一線で活躍しました。
思い付いたアイデアをひとつの形として残すまでの苦労を思うと、それを継続し、名作と呼べる作品を産み出し続けた熱意には感心するほかありません。

最近は、紙に漫画を描こうと思うことはありませんが、以前に思い付いたシナリオの続きをつい考えてしまうことはあります。
頭の中で端が見えないほどに広がった大風呂敷は、一体いつになれば畳めるのか、私にも見当が付きません。

海と山

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