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自由肩

最近、以前と比べて、上肢の動きに対する捉えかたが随分と変わったことを感じています。
以前は呼吸によって上肢を浮かせているつもりでも、多少なりとも肩部に力が入ってしまっていました。
そのため、純粋に体幹への意識のみで上肢を上げられることを初めて体感させて頂いたときは、とても感動しました。
それを実現するためには、吸息と共に、体幹の骨格系を締めておくことが不可欠であることを感じています。
吸気によって胸腔や腹腔の内圧が高まると、肋骨や骨盤の締めによって側方に広がることの出来ない圧力が上下方向に圧縮され、それが脊柱の伸びや肋骨の挙上を起こし、結果として上肢が持ち上がるのではないかと想像しています。
そして、胸椎、肋骨、胸骨で構成される胸郭や、鎖骨、肩甲骨の動きが、骨盤の動きと連動してくると、挙上のみならず、上肢の様々な動作が肩部の力を使うことなく実現できることも知りました。
それだけでは目的を果たすための充分な働きを得られないことが多いので、体幹の動きから生まれる力を増強するために、意識との一致や手関節の角度や手指の向きを突き詰めていくことの必要性が分かってきました。
歩行時には自然に上肢を交互に振っていますが、上肢が上がっていくタイミングで、意識する距離を変えたり、手関節を背屈させたり、特定の手指を伸展したりすることで、振り幅が大きく変わってくることを感じています。

ヒトの二足歩行という特徴を改めて考えてみて、下肢に安定性が求められたとすれば、上肢は自由度を高めた結果として生まれた構造と言えると思います。
上肢を自由に使うためには、最も繊細な動作が実現できる手部を、如何にして働きやすい位置まで移動させられるかが重要になってくるように思います。
三次元的に手部の位置を決定していくためには、肩部や肘部に力を入れて固めてしまうのではなく、肩関節と肘関節という軸の異なる二つの中継点を自在に動かせる状態を確保しておくことが不可欠だと感じています。
そして、肩部や肘部の力を抜くには、下肢による土台と、骨盤と胸郭および上肢帯の動きを一致させるための体幹の軸が大切であることを感じています。

最近は、肩関節周囲の治療においても、動作時に痛みの出ている部位の症状を改善するというよりは、痛みが出ない上肢の動きを実現することを目標として治療させて頂くようにしています。
肩部に痛みを訴えて来院される患者さんの上肢の動きを診せて頂くと、上腕を体幹に引き付けてしまったり、肩甲骨を固定してしまっていたり、円背の姿勢になってしまっていたりと、肩部の力が抜けない状態で上肢を上げようとしておられる方が多いことを感じています。
そうした部位から調整させて頂くことで、症状を増悪させてきた要因の逆の経過を辿ることが出来るため、局所の疼痛も改善していくことを感じています。
患者さんに少しでも肩の力を抜いて生活を送って頂けるように、より工夫しながら治療に取り組んでいきたいと考えています。

栗

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