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本の紹介20

新解さんの謎

『新解さんの謎』

著者 赤瀬川原平
発行所 文春文庫

ふつう辞書というのは説明をムダなく最小限に抑えている。その方がミスも少なく、辞書的な正しさを保守しやすい。ところがこの新明解国語辞典はムダなく最小限なんてケチなことをせずに、どんどん説明してくれる。ミスを恐れるなんてビクついたところがあろうことか、いくらでも説明サービスをしてくれるのだ。日本語をわからせようという明解パワーである。そのパワーが渦を巻いて、逆に辞書の中が密林の奥の沼のようになっている。
~第二章 深まる謎


この本は、『新明解国語辞典』に記載されている「言葉」の説明を、筆者の感想を交えながら紹介されています。
それぞれの「言葉」の説明を読んでみると、納得できる解説も、疑問が残る解釈も、呆れ返るような例文もあり、広く用いられている辞典に「言葉」に対する独自の見解が色濃く表れていることを面白く思いました。
「言葉」は、自分自身の記憶を記録したり、他人に意志を伝達したりする際に重要な役割を果たしますが、同じ「言葉」でも、その時々の精神状態によって感じ方が変わったり、各人によって捉え方が違ったりします。
しかし、そうした不明瞭性を避けるために「言葉」を定義しようとしても、それを形として表わそうとすれば「言葉」をもってする他ありません。
そう考えると、絶対的な「言葉」の定義はそもそも存在せず、誰もが、自分自身にとってのみ明快な国語辞典を心の中に持っているものなのかも知れません。

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