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乗り潮

最近、治療をするときに患者さんの呼吸を感じながら施術することの大切さを実感しています。
呼吸の出入りに伴う動きを、ぼんやりと眺めたり、手から伝わってくる感覚を受け取ることで、治療に臨もうとする心持ちが和らぐことを感じます。
触れる前から軸を立てて手の力を抜けるように準備しておくことは、患者さんの呼吸がどちらに向かっても、それに付いていくことに繋がるように思います。
そして、その方の吸う息の伸びに合うように身体を張って緩みを取り、吐く息の深さに合うように弛めていくことを心掛けています。
我が入ると、張りの強さや動きのペースがずれて、お互いのリズムが合わなくなってしまうことを感じます。

呼吸が同調できているときは、何もしていなくても患者さんから吸い込みが掛かり、頂点で経路が変わって伸びてくる働きが起こることを体験します。
空気の出入りを伴う呼吸よりも、ゆっくりとしたペースで起こるこうした働きもまた、呼吸の表れであるように感じています。
一回一回の呼吸を、砂浜に寄せて返す波だとすると、深い場所で起こっている呼吸は、海の中の潮の流れのようにイメージしています。
そして、外に表れている呼吸と、深部で生じている呼吸は、お互いに関連し合っていることを感じます。
楽に呼吸ができる姿勢にあると内部の動きが現れ、内部が動き始めると呼吸が広がりやすくなるように変わっていきます。
自分が力を抜いて、その揺らぎに付いていくことが出来ると、自然に緊張が弛み、繋がりが改善するバランスに導かれることを感じています。

自分の身体で発見したことが施術に活かされるだけでなく、治療によって患者さんから体験させて頂いたことが、自分の身体を見直すキッカケとなることがよくあります。
自分の深いところではどのような変化が起こっているのか、呼吸を見詰めなおして行きたいと思っています。

明石海峡

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