成長快調
私は子供の頃、誰かに教わっている様子も無いのに、蜘蛛が美しい形の巣を張ったり、子ツバメが飛び方を覚えたりすることを不思議に思っていました。
妻の出産や、子供の成長に間近で触れ、人も同様に自然に備わった不思議な力を持っているということを実感しています。
出産の前日、妻は夜になって陣痛が起こり始めましたが、助産師さんの指示で自宅で待機し、二分間隔になってから助産院に向かいました。
助産院に着いたのは早朝で、助手の方はまだ来られていなかったので、私が妻の出産の補助をさせてもらいました。
陣痛の合間に呼吸を整えて力を抜き、陣痛に合わせて息を吐きながら骨盤底に向けていきむように指導されていました。
助産師さんが準備をする間、側臥位で横になっている妻の骨盤底と腸骨に、それぞれ手を当てておくように勧められました。
触れている手から、合気体操の亀の動きのように、吸息と共に骨盤が前方に傾いて力が上に吸い上がり、骨盤が後方に傾きながら体幹の中央が上から順に締まっていく働きが起こっていることを感じました。
助産師さんは、陣痛によって子宮が締まっていくタイミングで、身体の持つ下方へ押し出す働きが自然に起こるように誘導されているようにみえました。
私が鍼灸師であることは事前に知っておられたので、次の陣痛が起こるまでの間に下肢にお灸をすることを勧めてくださいました。
上側の脚の京骨穴や、下側の脚の中封穴あたりに八分灸を施しました。
普段、妻の脚は、なかなかお灸の熱が通りにくいことが多いですが、その時は一瞬で反応が起こりました。
子供の頭が見え始めた頃から、姿勢を仰臥位に変え、私は妻の頭の方にあぐらで座り、妻の頭部を手の上に乗せておくように言われました。
陣痛が起こったとき、顎が上がったり頭部が傾いたりしないように指示され、いきむ力が逃げないように繋がる位置で待ちました。
子供の頭の外に現れている部分が、いきむごとに大きくなり、少しずつ子供の姿が見えてきたときは、とても感動しました。
産まれたときには、助産院に着いてから3時間くらい経っていましたが、あっという間だったように感じました。
出産から約二か月が経ち、産まれてきた息子は元気に成長しています。
お腹がすくと母乳を欲しがって泣き出し、お腹がいっぱいになると機嫌よく手足を動かし、余分に飲み過ぎた場合は要らない分だけ口から戻します。
手足を伸ばしたり体を反らせたりして自分で調整し、抱かれているときも居心地の良いように体勢を変え、暑いと感じれば上に掛けていたタオルケットを足で蹴飛ばします。
自分にとって必要なものも余分なものも、全部分かっているんだなぁと感心します。
身体の状態は目まぐるしく変わり、お腹が張ってきたと思えば真剣な顔つきになり、両脚を突っ張って全身を赤くして便を出し、排便した後はすぐに元の状態に戻ります。
この二か月の間にも、身体は日に日に大きくなり、表情や出来ることが少しずつ増えてきています。
そして、その日々の変化の中で、母親と子供がお互いに与え合う連携の精妙さには驚かされます。
そうした出来事は余りにも自然に通り過ぎていくため、自分もそうやって産まれ育てられて来たことを気にも留めていませんでしたが、よく考えれば、驚くようなことが当たり前のように起こっているとも言えます。
そして、その大きな力に対して治療として出来ることは、自然の働きが滞りなく起こっていくように手伝うだけであることを実感します。
これからも、妻と子供と生活する中で、多くのことを学ばせてもらおうと思っています。

妻の出産や、子供の成長に間近で触れ、人も同様に自然に備わった不思議な力を持っているということを実感しています。
出産の前日、妻は夜になって陣痛が起こり始めましたが、助産師さんの指示で自宅で待機し、二分間隔になってから助産院に向かいました。
助産院に着いたのは早朝で、助手の方はまだ来られていなかったので、私が妻の出産の補助をさせてもらいました。
陣痛の合間に呼吸を整えて力を抜き、陣痛に合わせて息を吐きながら骨盤底に向けていきむように指導されていました。
助産師さんが準備をする間、側臥位で横になっている妻の骨盤底と腸骨に、それぞれ手を当てておくように勧められました。
触れている手から、合気体操の亀の動きのように、吸息と共に骨盤が前方に傾いて力が上に吸い上がり、骨盤が後方に傾きながら体幹の中央が上から順に締まっていく働きが起こっていることを感じました。
助産師さんは、陣痛によって子宮が締まっていくタイミングで、身体の持つ下方へ押し出す働きが自然に起こるように誘導されているようにみえました。
私が鍼灸師であることは事前に知っておられたので、次の陣痛が起こるまでの間に下肢にお灸をすることを勧めてくださいました。
上側の脚の京骨穴や、下側の脚の中封穴あたりに八分灸を施しました。
普段、妻の脚は、なかなかお灸の熱が通りにくいことが多いですが、その時は一瞬で反応が起こりました。
子供の頭が見え始めた頃から、姿勢を仰臥位に変え、私は妻の頭の方にあぐらで座り、妻の頭部を手の上に乗せておくように言われました。
陣痛が起こったとき、顎が上がったり頭部が傾いたりしないように指示され、いきむ力が逃げないように繋がる位置で待ちました。
子供の頭の外に現れている部分が、いきむごとに大きくなり、少しずつ子供の姿が見えてきたときは、とても感動しました。
産まれたときには、助産院に着いてから3時間くらい経っていましたが、あっという間だったように感じました。
出産から約二か月が経ち、産まれてきた息子は元気に成長しています。
お腹がすくと母乳を欲しがって泣き出し、お腹がいっぱいになると機嫌よく手足を動かし、余分に飲み過ぎた場合は要らない分だけ口から戻します。
手足を伸ばしたり体を反らせたりして自分で調整し、抱かれているときも居心地の良いように体勢を変え、暑いと感じれば上に掛けていたタオルケットを足で蹴飛ばします。
自分にとって必要なものも余分なものも、全部分かっているんだなぁと感心します。
身体の状態は目まぐるしく変わり、お腹が張ってきたと思えば真剣な顔つきになり、両脚を突っ張って全身を赤くして便を出し、排便した後はすぐに元の状態に戻ります。
この二か月の間にも、身体は日に日に大きくなり、表情や出来ることが少しずつ増えてきています。
そして、その日々の変化の中で、母親と子供がお互いに与え合う連携の精妙さには驚かされます。
そうした出来事は余りにも自然に通り過ぎていくため、自分もそうやって産まれ育てられて来たことを気にも留めていませんでしたが、よく考えれば、驚くようなことが当たり前のように起こっているとも言えます。
そして、その大きな力に対して治療として出来ることは、自然の働きが滞りなく起こっていくように手伝うだけであることを実感します。
これからも、妻と子供と生活する中で、多くのことを学ばせてもらおうと思っています。

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