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イン触れ

立った姿勢で自分の身体に目を向けてみると、動いていない時も完全に静止しているのではなく、微妙に揺れていることを感じられるかも知れません。
身体は、一点で停止することなく、常にセンターに近付くように微調整し続けることでバランスを取っています。

合気の技でも、相手との関わり合いの中で、センタリングできるかどうかが大切であることを学んでいます。
自分の軸を立てた姿勢で、接点を介して一体となるように、相手の都合をいったん受け入れます。
そこから、引くだけでも押すだけでもなく、中心を保ちながら全体のバランスを変えることで、相手と一致したまま動くことができます。
息を吸って呼吸が身体の隅々まで行き届くとき、息を吐いて集まってくる場所が中心です。
意識を身体の内にも外にも、中枢にも末梢にも広げ、呼吸と共に動くことで、全身の繋がった動きになります。

相手と一体になった状態で、相手の中心を崩せば合気の技になり、中心に導けばバランスを整える治療になります。
呼吸が深まり、中心の働きが高まるバランスへと相手を誘導する施術が、「バランス☆運動療法」です。
合気の原理を応用して、外に表れている症状ではなく中の繋がりに働き掛けます。
本来、誰の身体にもセンターに近付けようとする力が働いていますが、何らかの原因により滞っている場所があると、その働きが妨げられアンバランスが生じます。
いくら「力を抜いてください」と言われても、無意識で起きている緊張を、意識して抜くことは出来ません。
そのため、バランスを整えるためには、相手の緊張を引き出すことなく、身体の中を通して無意識に働き掛ける必要があります。
力が抜けるバランスへと呼吸で浮かせ、緊張や重力から解放することで、身体の変化する可能性を広げます。
いつものパターンと異なる姿勢や動作は、意識的に処理することが出来ず、無意識による反応が返ってきます。
そうして身体の持つ自然の力が働きやすい状態へ導くことによって、バランスが整い、症状が改善すると考えています。

「バランス☆運動療法」を行なっているときに、相手に触れるタッチが「センタリング・タッチ」になります。
相手と一体となるタッチができると、触れるだけでも中の繋がりを誘導できます。
触れることで、お互いの身体を一致させられると、呼吸や脱力も同調し、自分をセンタリングすることにより、相手の偏りも中心に戻っていくと考えます。
そうしたタッチを身に付けるためには、相手がどのような偏り方をしていても、それに応じて力を抜けるようにしておく必要があります。
人が変われば状況も変わり、一瞬も同じ時はありません。
いつも違う条件の元で、どれだけ繊細に同調できるかは、結局のところ自分に帰することになります。
つまり、「センタリング・タッチ」ができるということは、自分の心身がセンタリングできている状態と同義だと言えます。

「センタリング」と似たような意味として、「ホメオスタシス」という言葉がよく使われます。
日本語では「恒常性」と呼ばれ、血圧や体温といった、身体の内部の環境を一定の範囲内に維持する働きを指します。
「恒常性」という言葉には、身体がいつも同じ状態で保たれるのが正常だという印象がつきまといます。
西洋医学では、それに基づいて一定の基準が作られ、検査で基準値を外れた項目に対して、治療が進められます。
私は、一つの数値を取り上げて評価するのではなく、全体を含めた広い視野の元、ホメオスタシスの働きを観ていく必要があるのではないかと感じています。
血圧は、身体の活動や疲労の蓄積、精神状態、食生活で容易に上下します。
一日の間でも変動し、一ヶ月の間にも周期があり、季節によっても変わり、加齢と共に上昇する傾向があります。
その理由を、自律神経やホルモンのバランス、加齢に伴う硬化といったように、個別に説明することも出来ます。
けれども、身体に起こっている現象を細分化して診ていくことは、全体としての表れを見逃すことになりかねません。
それらを一言で表せば、自分や環境の変化に合わせて中央に近付けるようにセンタリングする、自然の働きではないかと考えます。
自分の心身も周囲の環境も変わり続けているため、中庸が常に同じ位置とは限りません。
それだけ生命は柔軟に多様に変化し得るという発想が、身体を診る上で大切なのではないかと思っています。

草木が風に揺れて立ち、石が川に流されて丸くなり、雪が日に照らされて解けていくように、自然は形を変えながら、全体の調和を保っているように感じます。
人も例外ではなく、周りの変化に応じて変わりながら生きていくことが自然であるように思います。
その時々の自分のバランスを愉しみながら、センタリングしていきたいと思っています。




長々とした文章になりましたが、頭の整理を兼ねて、現時点での私のセンタリング・メソッドに対する考えを纏めてみました。
今後、また印象が変われば、改めて書いてみたいと思っています。
それもセンタリングなのかも知れません。

川

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