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差異文化

K野先生から、武術や治療について教わるだけでなく、聞香や書法といった様々な文化に触れる機会を頂いています。
お香の聞き方は呼吸法そのもので、それぞれの香木の香りによって、身体に様々な変化が起こることを体験させて頂きました。
筆の運び方も合気の動作に通じ、筆跡にはその時の呼吸や心持ちが反映されていることを学び、それ以来、文字に対する見方が変わりました。
そうした繊細な世界があることを知り、身体を通じてそれらの共通点を体感し、微妙な違いを楽しむことの喜びを体験させて頂いています。
現代では、香りは本物に似せて作られた香料が使われ、文字は統一されたデータとしてやり取りされています。
手紙を受け取ったとき、筆で書かれた文字と、印刷されたフォントでは、同じ文章であっても、伝わる情報量は格段に違ってきます。
けれども、その違いが必要とされなくなれば、そうした文化は失われ、形骸化してしまいます。
これから時代が進むにつれて、ますます微妙な差を感じ取る感性が薄れていってしまうとすれば、残念なことだと思います。
それは特別なものではなく、他者とのコミュニケーションにも、毎回の食事にも、窓の外の景色にも、自分の感覚を介する全てに通じるような気がします。

そして、生活の中で細やかな感性を育てていくことは、健康においても大切であるように思います。
たとえ、いま健康な状態にあったとしても、無理を掛ければケガをし、不摂生をすれば体調を崩します。
身体にとってマイナスになることがあれば、様々な反応を通じて、身体はサインを出してくれています。
それに気付かずに、あるいは気付いていても、負担を掛け続けることが、身体の釣り合いを傾け、不調を引き起こします。
私自身、学生の頃に、脚がつったり、腰を痛めたりすることがありました。
今思えば、身体が出してくれているサインに目を向けず、自分に対して無頓着であったことを実感します。

合気の稽古を通して、骨盤のわずかな傾きの違いでも、脚の力を抜けるかどうかが変わってくることを体験してきました。
身体を観察する中で新たな発見をする度、それを普通として気付かせないほど、精妙に創られた自然の働きに感心させられます。
歩いていてバランスを崩しかけても、身体を立て直そうとする反射によって足を踏み出せれば、転倒することを回避できます。
それと同様に、一定の範囲から外れなければ、自然に身体のバランスを保とうとする力が働いて、健康をキープしてくれます。
そうした力を享受し続けるためには、自分に対する「気遣い」が必要であるように感じます。
身体はどうすれば自分が良い方向に進んでいくかを知っており、その声を真摯に聴き、それに沿って生活していくことの大切さを感じます。
そして、それを意識しなくても自然に出来ていることが、健康な状態ではないかと思います。

治療も、「治す」という結果を求めて行われるものではなく、「気遣い」の延長上にあるように感じています。
患者さんの状態を診たり、身体の変化を受け取ったり、細やかに感じ取れるように自分を変えていくことが重要であることを学んでいます。
皮膚にかすかに触れるだけでも、あるいは触れる前でさえ、全身に反応が起こることを経験し、お互いに与え合っている影響の大きさを感じます。
実際に施術として行なっているのは、治療の全体ではなく一つの表れで、望ましい方向に向かうのであれば、その切っ掛けは何であっても良いのではないかと考えるようになりました。

自分への「気遣い」を積み重ねていくことで「息遣い」が変わり、それを他者にも広げられれば「合気遣い」になれるのかな~と思います。
これからも目の前の物事に潜む微妙な違いを楽しみながら、繊細な感覚を育てていきたいと思います。

桜

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